美肌菌とは?美肌菌はお肌にどのような効果をもたらすのか?

誰の肌にも10種類以上の常在菌があります。それらの菌の中には善玉菌と悪玉菌があり、善玉菌の働きで悪玉菌の量も一定に保たれ肌の健康を守っていますが、何らかの理由でバランスが悪くなり善玉菌が減って悪玉菌が増えすぎると肌のバリア機能が低下し一定の水分量が保てなくなり、乾燥肌になっていきます。肌の乾燥はしわやたるみ、シミなどの原因になるだけでなくアトピー性皮膚炎の原因にもなってしまうのです。

善玉菌は美肌菌といわれています。美肌菌の代表的なものは「表皮ブドウ球菌」で、空気と皮脂を好むので肌の表面に多く存在しています。

表皮ブドウ球菌は皮膚にある脂肪分を脂肪酸とグリセリンに分解する働きがあり、分解された脂肪酸は肌を弱酸性に保ってくれる働きがあり、悪玉といわれるブドウ球菌や雑菌の侵入を防いでくれます。

またグリセリンは肌の潤いを保つ効果があるので、肌表面にグリセリンが適度にあることが水分の蒸発を防ぎ、乾燥から肌を守ってくれます。

このように皮脂を好む表皮ブドウ球菌がたくさんあることでグリセリンが生まれ、それが肌を乾燥から守ってくれるので、表皮ブドウ球菌がたくさんある方が良いのです。そのためには肌に皮脂がないと、表皮ブドウ球菌は寄ってきてくれません。つまり、美肌菌の代表格である表皮ブドウ球菌を増やすには適度な皮脂が必要ということです。

だから、洗顔をし過ぎて皮脂まで取ってしまうことは、美肌菌が好まない肌になってしまう可能性があります。肌が乾燥して困っているなら、洗顔方法を見直すことが必要です。

適度な皮脂を残せる洗顔方法は、ネットなどで十分泡を立ててその泡で優しく肌をなでるように洗うようにし、その際に使う水は36度から38度のぬるま湯を使うようにします。洗顔後は洗った後の水分と共に肌内部の水分まで蒸発してしまうので、洗顔の後はできるだけ早く化粧水で水分を補い、オイルなどで蒸発を抑えるようにすると効果的です。

また、紫外線は肌をアルカリ性にしバリア機能を弱まらせてしまうので、外出時は日焼け止めをしっかりして日傘や帽子で紫外線を予防するようにします。

菌には善玉と悪玉がありますが、どちらにもつくという日和見菌というものもあります。そのひとつが、ニキビを作ることで有名な「アクネ桿菌」です。アクネ菌は毛穴に常在していて、ストレスやホルモンバランスの崩れなどで毛穴に皮脂が詰まるとニキビを作ってしまうのですが、通常は表皮ブドウ菌と一緒になって皮脂を分解する役割を担っています。

毛穴には皮脂腺があり皮脂が分泌されていて、アクネ桿菌はその皮脂を分解し肌を健康に保ってくれます。その皮脂が出過ぎると分解しきれなくなって詰まってしまいニキビができるのですが、皮脂を亡くなったり少なくなるとアクネ菌が分解してくれる脂肪も少なくなり脂肪酸もグリセリンも産出してくれません。そのため表皮ブドウ球菌と同じようにアクネ菌を美肌菌として味方につけるために、肌には適度な皮脂を残しておくことが大切なのです。