グリセリンが肌の保湿に効果があるとされ化粧水などに使われる理由/グリセリンの特徴や働きについても

グリセリンは化粧水に含まれており、高い保湿効果があることで知られています。グリセリンはアルコールの一つであり、動物や人間、海藻など様々な部分に含まれており、グリセロールとも呼ばれます。人間においては中性脂肪の中にあり、エネルギーと皮膚の下、筋肉に蓄えられている特徴があります。
グリセリンは粘性がある無色透明の液体であり、においはなく水に大変溶けやすい性質があります。ただし甘味を持っているため甘味料として利用されることもあり、甘みだけでなく強い吸湿効果と保湿効果があるので軟膏や化粧品類にも含まれます。
グリセリンには天然と合成のものがあり天然はヤシ油やパーム油を原料とし、合成は石油を原料としていますが、近年では化粧水や軟膏など肌に触れるものに関しては天然ものを使用しており、合成のものはあまり使用されていません。
グリセリンは美肌効果があり、高い吸湿性があります。水に大変溶けやすく、一見化粧水自体はさらさらとしているような感じがしますが、濃度が高くなると独特のべとつきが出てきて皮膚をしっかりと守っていることを実感することができます。そのため特に皮脂欠乏症の人に向いている成分ですが、濃度が高いから良いという訳ではありません。濃度が15%から20%以上になってしまうと吸湿性が高まってしまい、空気の中に存在している水蒸気とともに水分が奪われてしまう可能性があるので注意が必要です。
保湿力がある成分にヒアルロン酸がありますが、ヒアルロン酸との違いは保湿だけでなく吸湿性が高いことがあげられます。吸湿性が高いため外部の水分をとりこむことができ、より肌に潤いを与えていきます。また肌を柔らかくする働きや肌荒れの抑制も期待できる成分です。
スキンケアにおいては包み込むように塗布していくことが大切になります。水と交わることで発熱する特徴があり、さらにアルコールの一つであるため皮膚に良い影響を与えないように感じますが、アルコールの中でも多価アルコールに分類されるので、皮膚に影響を与えません。逆に発熱する特徴を生かした温感クレンジングも注目が集まっており、日本化学物質安全情報センターによって、皮膚に刺激を及ぼす可能性は低いという結果が出ています。
なお性質上空気中の水蒸気を吸収してしまうので、しっかりと化粧水のふたをしないとどんどん濃度が下がってしまい、十分に効果を発揮させることはできません。化粧水を使用する場合は保管方法に気を配ることが大切です。